HOME 記事一覧 未分類 なぜ“大学→労組→政党→行政→メディア”の回路が、90年代以降に形を変えたのか(連合化・脱党派化・専門家化・SNS化で何が起きたか)
  • 2026年2月17日

なぜ“大学→労組→政党→行政→メディア”の回路が、90年代以降に形を変えたのか(連合化・脱党派化・専門家化・SNS化で何が起きたか)

なぜ“大学→労組→政党→行政→メディア”の回路が、90年代以降に形を変えたのか(連合化・脱党派化・専門家化・SNS化で何が起きたか)

以下、「華やかなりし時代」を主に大学や労働組合などの組織と社会党、民社党、共産党、新左翼諸派などの組織のヘゲモニーのマッチング、 1950〜70年代(+80年代前半の余韻)として、どこで誰が強かったかを“使える地図”にします。

セクター別(大学・官公労・現業など)に局地的ヘゲモニーを握った時期があり、回路(学生・労組・職能団体)ごとに強い結節点があしました。


1) 労働組合:最大の「政治インフラ」だった場所

戦後日本の左派の現実的な足腰は、まずここです。ポイントは ナショナルセンター(全国中央組織) の対立構造。

総評(日本労働組合総評議会)=社会党の最大基盤

  • 総評は、社会党の最大の組織基盤として機能した、と整理されます。
  • 傘下の「大きいところ」の代表例として、日教組・自治労・国労・動労・全逓・全電通などが挙げられています(資料上でも主要例として並ぶ)。
  • とくに **「三公社五現業(国鉄・郵政・電電など)」**系の公労協は、政治的にも社会的にも目立つ“圧”を出せた領域でした(全逓・国労・動労などが総評を支えた、という説明が出ています)。

同盟(全日本労働総同盟)=民社党の最大基盤

  • 同盟は1964年結成、そして民社党の支持基盤と整理されます。
  • 主な構成(代表例)として 全繊同盟・全金同盟・電力総連・造船重機労連などが挙げられています。

共産党(+周辺)系:統一労組懇などの「別回路」

  • 1970年代には、統一労組懇が「共産党支持」として記述されます(=総評・同盟と別系統の政治回路として意識されていた)。

ざっくり言うと
官公労・教組・現業(国鉄/郵政/電電…)=総評(社会党回路)が強い
民間の一定部分(産別の一角)=同盟(民社党回路)が強い
共産党は“別回路”を持ち続ける
この三角形が、当時の「現実に効く」政治地図です。


2) 大学:左派が“可視化”された最前線(ただし流動的)

大学は「党派の本丸」というより、**時期ごとに主導権が入れ替わる“戦場”**でした。最大のピークはやはり 1968〜69前後の大学紛争/全共闘

  • 大学紛争は全国的規模になり、1969年には紛争が127大学に及んだとされます。
  • 代表的に言及される「中心・象徴」には、**東大・日大・早大・京大(ほか岡山大など)**が挙げられています。

ここで注意点:
「大学=共産党のヘゲモニー」ではないです。むしろ当時の大学闘争は、全学連系・全共闘系・党派セクト…と入り乱れて、同じ大学でも学部や年度で色が変わる。だから“大学名の羅列”だけだと誤解が増えます。

ただ、あえて言い切るなら、

  • 東大・日大・早稲田・京大あたりは、当時の左派(広義)の力学が社会に露出した「象徴的結節点」。
  • “ヘゲモニー”は全国制覇ではなく、キャンパスという都市国家の局地支配として発生していた(しかも内戦型)。

3) 「その他の組織」:実はここが“尾を引く”領域

大学と労組の間に、政治文化を持続させる中間インフラがいくつもあります。代表は次のタイプ。

  • 教員・公務員・自治体系の職能団体(教育・行政の制度運用を通じて長く影響しやすい)
    • 日教組や自治労が総評の主要例として挙げられていること自体が、この領域の太さを示します。
  • 現業(郵政・国鉄・電電など)
    • 全逓・国労・動労などが「総評を支えた中心労組」と説明され、かつ公労協の核だった、という整理がされています。

4) 「なぜ語られにくいのか?」に答える(陰謀じゃなく構造で)

「誰も言及しない」は、だいたい次の複合です。

  1. 後継組織に“合流”して名前が消える問題
     総評・同盟→連合の流れのように、看板が変わると記憶が断線しやすい。
  2. “一枚岩で語れない”ので説明が面倒問題
     大学は特に、同じ大学でも時期・学部・派閥で全然違う。雑に語ると炎上するので、黙るインセンティブが働く。
  3. 本人世代の引退+若年層への継承不足問題
     「専門家の説明責任」というあなたの怒りはわりと正しくて、現代の議論は“履歴現象”を抜いたまま空中戦になりがちです。

5) 使える「まとめ」:当時のヘゲモニー地図(超圧縮)

セクター強かった回路(典型)代表的な結節点(例)
官公労・教組・現業総評 → 社会党日教組・自治労・国労・動労・全逓・全電通 など
民間労組の一角同盟 → 民社党全繊同盟・全金同盟・電力総連・造船重機労連 など
共産党系の労働回路統一労組懇(など)共産党支持として記述
大学(68-69中心)全共闘・全学連系など混在紛争127大学/東大・日大・早大・京大など

ここまでを踏まえると、「革命の時代の履歴現象」は道徳の話じゃなくて **“組織インフラの履歴”**です。過去の回路が、名前を変えて今も制度や人脈の形で残る。だから「現在だけ見て」議論すると、どうしても説明力が落ちます。