- 2025年6月8日
わかりやすい英語が苦手な理由と英語学習
わかりやすい英語が苦手な理由と英語学習
・英語と日本語は根本から違う
私たちは読み方から英語を学びます。
昔は中学校、今は小学校で学ぶこともあるようです。
フォニクスというのも学ぶようになりました。
10年位前古本屋でアメリカの英語学習とフォニクスの本があってそれを立ち読みした記憶があります。
長男が中学1年生になってフォニクスの教材があったのを見つけました。
私は40年ほど前中学から英語を学びましたが英語の発音やアクセントの法則なるものは学びませんでした。
その後も高校でも大学でもやはり学びませんでした。
私の教育環境がそうだっただけかもしれませんが同じような人は多いのではないでしょうか。
そのような意識で惰性で英語を学んだので高校の後半か大学あたりで発音やアクセントに法則性があるのを見つけたのは自分でたまたまです。
やはり私と同じようにカリキュラム的に総論で英語の発音やアクセントの法則があり日本語と根本的に違うことを学ばなかった人は多いのではないでしょうか?
・総論は大切
年を取ったり経験と積んだりするほど総論の大切さがわかります。
逆に小学生あたりだと総論から教えるのはよくないどころかダメな場合も多いのではないでしょうか。
しかし多分英語は、IT、お金、現代哲学と同じくらい現代の大切な教養、リテラシーですのでネイティブでなければ、あるいはネイティブであってもどこかで総論的に法則を学ぶ、あるいは法則があることを知っておくのが推奨でしょう。
・言語学体験
自分は言語学オタクだった時期があります。
いろんな言語の音韻学や文法を学ぶのにある時期固着してました。
大学ではドイツ語、イタリア語、ロシア語、古典ギリシア語、ラテン語、中国語、韓国語の講義をとったことがあります。
独学ではフランス語、スペイン語、ヒンドゥー語、アラビア語の勉強をしようとしたことがあります。
この中でまじめに実際しようとして学んだのは初めての海外旅行先だったインドに行くためのヒンドゥー語だけです。
他は読む、と言っても音読できることと、文法を学んだだけです。
頭が悪いので最初から使うのはあきらめてました。
言語学的に音韻と文法と若干の歴史を勉強することのオタクになっていました。
まあそれはともかく私が最初に英語に法則があることを明確に認知したのは発音については英和辞典の終わりについていた解説のような部分を読んだからです。
アクセントに法則があることを認知したのは大学の図書館でそのたぐいの本を見つけて読んだからです。
・日英の音韻構造の違いは知っておいて損はない
英語を使えない日本人が英語の音韻の仕組みを知っておけば学習の助けになります。
学習の助けの他に英語に関係ないことも含めて多分ものの考え方が変わるし豊かになります。
だから英語の音韻を勉強するのは哲学にもなります。
・日本人はなぜ英語が苦手か?ストレスタイミング言語のひみつ
結論から言うと英語がストレスタイミング言語というものだからです。
日本語はモーラタイミング言語と言って別のリズムで話したり聞いたりする言語になります。
ついでに言うともう一つシラブルタイミング言語というものもあります。
それはおいておいてストレスタイミング言語の特徴はストレスがある音節とストレスのない音節があってストレスのある音節間を同じ時間で話します。
誤解のないように言っておくと単語ではなく音節です。
単語はストレスのある音節とストレスのない音節からできています。
単語の順序列である文は単語からできているのでやはりストレスのある音節とストレスのない音節からできています。
ストレスのある音節は文の中で強く、長く、高く発音します。
問題はその他のストレスのない音節です。
ストレスのある音節に挟まれた部分はそれが何個の音節からなろうとすべて同じ時間間隔で発音します。
それが一音節であろうと多くの音節であろうと同じです。
またそれがいかに長くて複雑な音節からなっていようと短くて単純な音節からなっていようと同じです。
極端な場合、短く単純な一つの音節と長くて多くの音素(主に子音)からなる複数の音節であろうと同じ時間で発音しないといけません。
これはかなり無理があります。
かなり無理があるので後者のような複数の長くて多くの音素から音節の母音や子音をあいまいにしたり変形したり省略したり融合させたりすることになります。
ここの部分を日本人で英語が苦手な人は聞き取れませんし発音できません。
でも読めたり書けたりはすることがあることがありますが読むのも遅くなります。
さら早めにもうひとつの原因を言っておくと日本人でそのことを知らない人がいることです。
どれくらいか分かりませんが知らない人の方が多いかもしれません。
原因を知っていれば自覚や意識や勉強に対する姿勢が変わりますが知らないということはおそろしくて勉強に対するあらかじめの心構えも持てません。
・リズムの違いは難しい
それに対して日本語はモーラタイミング言語といいます。
これは音節をすべて同じ時間で話します。
・日本語の音節
日本語の音節は基本は母音だけか一個の先頭の子音と一個のそれに続く母音からなります。
その例外としては「ん」という子音だけの音節があります。
撥音と言います。
その他の例外に促音「っ」と長音「ー」があります。
これらを同じ長さではっきりと発音します。
・英語の音節
英語の音節は大体音節は1個か2個の母音が必ずあります。
その母音の前に子音がつくことがありますし、その子音の後ろに子音がつくことがあります。
この母音の前につく子音にしても母音の後につく子音にしても1つだけとは限りません。
複数子音の場合が普通にあります。
この複数子音は初めて日本語である程度読み書きできるようになってから英語に接するようになった人には気になる点になることが多いと思います。
だいたい英語を習い始めたときかそれ以前から気づくはずです。
これは英語とは全く違うリズムと言っていいのか言葉を発して聞き取る時間間隔がひつようになります。
一つの音節に音素の数が多いのです。
音素の数が多い単語はどちらかというとストレスのある単語の音節に多い気もしますがそれでもストレスのない音節にもあり得ます。
ちなみにストレスのある単語は名詞や形容詞など内容を表すものが多く、ストレスのない単語には前置詞や冠詞などの機能的なものが多い傾向にあります。
では名詞や形容詞などのストレスのある単語のストレスのある音節はどれになるかというとこれには法則があります。
いろいろな場合分け、例えばラテン語やギリシャ語由来の合成語かとか名詞性と動詞性のどちらか高いかなどのフローチャートがありますが基本的に法則に従っていけば決められます。
例えば合成語でない長い多音素、多音節の名士などでいえばポイントは語末から母音や子音の数を見ていく、というものになります。
英語は単語に音素の数が多い傾向があるので複雑になりがちですがそういうアクセントの決まり方をするのは他の言語を勉強したことがある方なら経験があるかもしれません。
・英語は曖昧でいい加減
リズムの違いとともに恐ろしいのは時に複数の多くの音素を高速で発音しなければならないということです。
先ほども書きましたがその際にある程度決まったやり方であいまいにしたり変形させたり脱落させたり融合させたりします。
その「ある程度決まったやり方」を学習できません。
教えてくれないし聞き取れないしそんなルールがあることも知らないし自分できづくこともできません。
恐ろしいハンディキャップの中で英語の学習を強いられます。
さらにもっと恐ろしいのはリズムの場合もそうですが「日本人がそういう学ぶべき内容があることを知らないし教えてももらえない」ということです。
すると「習うより慣れろ」になります。
学習という字は「習」という字を含みますが要するに学習ではありません。
昔の職人さんの「技術は見て盗め」に近い、というか同じ感じです。
フィクションではありませんが「意識の外から攻撃される」ほどやりにくいものはありません。
「無意識にできるようになる」これは近現代人の学習態度とは言えないどころかもはや原始人、あるいは動物の学習態度といえるかもしれません。
・「知らない」の「知らない」は恐ろしい
人間知らないから、できないから勉強、訓練、習得しようとします。
この場合知らないものが何かわかっていればその勉強法、学習法、練習法も探すことができるでしょう。
恐ろしいのは知らないことを知らないことです。
これは環境に恵まれなくても起こりますし、子供でも起こりえます。
私は中学に上がってしばらくは日本語をローマ字にしたら英語になると思ってました。
これは意識低すぎの例ですが人間子供でなくてもボケーっとしているとこういうことになりやすいです。
ボケーとする大切さもありますが学習の際にはボケーとしないことも大切です。
・おわりに
英語が理由な人の英語が苦手な理由なんていくつもあると思いますが言語学的には、というとおこがましいですが、日本人が英語が苦手な理由に上記のようなものもあります。
「英語と日本語では言語の音韻システムが根本から違う」です。
逆もまた真で英語だけしか話せない人が日本語を学ぼうとすると困難を感じる可能性が高いです。
日本人についていうと同じモーラタイミング言語の習得、あるいはストレスタイミング言語より日本語に近いシラブルタイミング言語の方が学習が容易なはずです。
なにも使えない私が言っても説得力はないですが「理論上は」そういうことになります。
このタイミング構造の違いや強音節の間に挟まれた単純で少ない音素の部分もたくさんの音素と音節からなる部分を同じ速さで発音しなくてはいけないという制約は多分英語習得困難者の抱える謎とかなり関係しているでしょう。
特に読めるけど聞けない離せないタイプの人にはです。
これは構造が違うものを構造が同じと勘違いしているので当たり前です。
構造と言ってもどちらかというとメタでもあり、メタではないとしても気付かれにくい構造になります。
だから英語学習の際には知っておく必要があると思います。
それ以外にもいろいろ言語構造上からの視点で英語が習得しにくい点はさまざまにあると思いますがいろいろ書くと散漫で冗長になりますのでこれで終わります。