- 2024年12月16日
- 2025年2月1日
かんたんな近代と現代の知の歴史
かんたんな近代と現代の知の歴史
抽象化→形式主義→記号化→デジタル化
近代から現代の知の流れを大雑把に解説します。
一つは法則や理論を見出す形の抽象化です。
抽象化の徹底の行きつく果てに形式主義が生まれました。
構造主義と言ってもいいです。
英語では形式はformで構造はstructureです。
形式主義はformalismで構造主義はstructuralismです。
数学では形式主義を使います。
言語学ではソシュールの後の世代がロシアンフォルマリズムというのを作ってその影響を受けたレヴィ=ストロースが構造主義と言ってはやらせています。
形式主義は演算の自動化に行きつきます。
記号列とその変形です。
記号というのは遍くデジタルなものです。
文字はデジタルです。
言葉は記号の列とみるとデジタルです。
形式主義の1つの形が数学の公理主義です。
論理学や数学のような学問の抽象化を徹底すると規則が抽出されます。
前提から導かれる結論に自由がありません。
数学者で情報科学者であるシャノンはコンピュータで表される情報とは「変化するパターンの中で選択できるもの」と定義しました。
これは現代論理学や現代数学の本質を表すものであるとともに、情報科学との関係を示唆しています。
前提を変形していくと結論になります。
前提に至る変形のさせ方は何通りもあるかもしれませんが決まったルールに必ず従います。
変化できるパタンが有限なら全部行ってしまえばいつかは結論になるかもしれません。
全部行わなくてもいいですが、人間が行わなくてもいいかもしれません。
そのような道具があれば道具にやらせてしまえばいいのです。
また人を雇ってやってもらうのもありです。
この人を雇ってやってもらうパタンがコンピュータという職業で19世紀には大量の人を雇って関数の値などいろんなものを計算させていました。
道具を使う場合は電子計算機をつかいます。
自動演算装置と言ってもいいかもしれません。
記号(コード)とデジタル
言葉は記号です。
言葉によるコミュニケーションにノンバーバルなものをなくしてしまえばただの文字列になります。
文字は記号の一種です。
記号は簡略ができます。
最小2つの記号に簡略化しても元通りに復元できます。
この2つの文字によく使われるのが1と0です。
アルファベットならアスキーコードというのがあって1と0の組み合わせを1つの文字に対応できます。
数字はそのまま十進法と2進法にしてしまえばいいだけです。
色に1と0からなる文字列を当ててもいいです。
平面座標系のようなものは2つの数字で位置を表せます。
この2つを使えば絵を描けます。
ドット絵というやつです。
ドットのピクセルを細かくしていけばアナログと同じようなものになります。
これは情報を記号化した場合です。
つまりデータというものです。
データの変形、これを演算と呼びましょう。
演算の簡単なものは四則演算です。
記号論理学を勉強すれば最初に論理演算を学びます。
うまいこと科学と工学が発展してくれたおかげでこれを電子で行えるようになりました。
真空管を使ったり半導体を使ったりします。
回路のある部分の電流が流れている状態を1,流れていない状態を0とします。
回路のその部分には真空管や半導体を使ったりします。
電流を流したり止めたりするのはその回路のその部分に別の電流、電圧をかけてやることで行います。
これによって電子計算機が生まれました。
もっと細かく書けば半導体自動演算装置とでも書けばいいのかもしれません。
これは実は数学の一分野です。
計算機科学という分野があります。
あるいは数学の分野の一つ、「証明論」に関係します。
電子回路の集積化や回路の設計、組み合わせ、それに電子回路を利用するためのプログラムやデータを用意できればいろんなことができます。
人間を超えた知能が生まれるかもしれません。
半導体回路でなくても量子コンピュータでも構いません。
演算方法もデータももっと大きく複雑化すればもっといろんなことができます。
そのうち人間が解けなかったいろいろな問題に答えを出せるようになるでしょう。
もうすでにそういう例が実現しているかもしれません。
銃砲処理量と高速化に大きな差がつけば下位のものは上位の者に内実を隠せないようになるかもしれません。あるいは、下位の者を自由に操作できるようになるかもしれません。
そうすると暗号通貨どころか金融システムがおかしなことになります。
お金というのはキャッシュを除けば帳簿上の数字でその数字は今は神ではなくコンピュータ上に記されています。
より高速で大量でインテリジェントな上位の処理システムの前では信用がなくなってしまいます。
いろんなホワイトカラーの職業もコンピュータがしてくれるようになります。
すると賃金低下や働きたくても仕事が少なすぎる状態がやってくるかもしれません。
多分私たちが思っているよりは早そうですのでそうならない可能性もありますがリスク回避のため一応対応を考えていくのが必要です。