- 2026年2月11日
腸や消化管は大切
―人間の配管工学―
腸や消化管は大切
―人間の配管工学―
・人間最も大切なのは?
人間最も大切なのはなんでしょう?
家族とかそういうのも大切ですがもうちょっと狭い目で見ます。
健康は大切です。
健康を保つために大切なのはホメオスターシスになります。
ホメオスターシスは生理学の生物の内部の恒常性を指します。
生物の内部の恒常性と言っても結構粗い話です。
人間というか生物にとって大切なのは細胞です。
というか生物は細胞からできています。
細胞がない生物というのはありません。
ウイルスとかバクテリオファージとかプラスミドはどうなんだとかいろいろ意見はあるかもしれませんがそれはおいておきます。
一応人間とか高等生物というか人間だけで考えましょう。
哺乳類とか脊椎動物とかでもいいですし、もっと大きな界や門のレベルで考えてもいいですが広げ過ぎると焦点が絞れず話が拡散するので人間が一番なじみがあると思いますので人間で考えます。
大まかに人間は細胞と細胞間質で出来ています。
細胞間質は細胞が直接密着している場合を除いては細胞を取り巻く細胞以外のものです。
基質や繊維や細胞外液からなっています。
細胞外液の状態に一定に保つことがホメオスターシスです。
広い意味で別の意味で使う人もいるかもしれませんがこれが一番生物関係の専門家のコンセンサスが得やすいでしょう。
原核生物や真核生物でも単細胞性質は比較的簡単です。
細胞を取り巻く環境は外界です。
基本細胞は脂質二重膜から作られており原核生物などではその外に莢膜などがある場合がありますが、脂質二重層の細胞膜が細胞の基本です。
この膜が細胞内外の境界です。
単細胞生物はいいとして人間のような高等と一応言ってもいいような多細胞生物の人間の場合に限定してよくて応用は後からしたければすればいいでしょう。
細胞は体細胞と生殖細胞(性細胞だったかな?)に分かれます。
生殖細胞はぶっちゃけ精子になる精母細胞だかなんかの系列と卵子、あるいは個体発生上卵母細胞というのもあったかもしれません。
それ以外は全部体細胞です。
要するに精子と卵子は特別です。
子供を作って子孫を残してDNAをのせているからです。
性細胞がないと人間は絶滅します。
これは倫理や道徳の問題ではなくて生物学的な現実です。
そういう意味では家族というのは子孫を残す意味で大切ですし、健康であるということも同じ意味で大切です。
別に個々人の人間は子孫を残すわけに生きているわけでもないですし好きに生きればいいのですが、精子や卵子がないと人類は終わります。
少数民族を滅ぼしたいのなら虐殺みたいな派手なことをするより少数民族に密かに断種して回った方が民族浄化政策としてはまだ人道問題で騒がれにくくてベターな方法ですからそういうことをしている国もあります。
蟻や蜂で言えば性細胞が女王バチや女王アリで体細胞は働きアリや働きバチです。
女王と言っても偉いとかそういう問題ではなくて働く個体やら労働者がいなければ女王も女王でいられないのでどちらが偉いとか重要ではなく役割の問題で共存共生の相互依存です。
性細胞を繋ぎ続ければその種は滅びません。
体細胞にせよ性細胞にせよ細胞は細胞外液に浮いている状態でないと生きれません。
体の内外を境界する皮膚や粘膜などの上皮細胞などは例外です。
普通の細胞は細胞外液の恒常性が生存に必須です。
これを維持するために身体の臓器というものがあると思ってもらっていいでしょう。
特に胸やおなかからなる胴体は細胞外液の恒常性を保つためにあります。
細胞というのは原始には海の中にあって陸上に上陸するときも細胞周囲に細胞外液、原始の海の子孫をまとわらなければ生きていけません。
細胞膜が直接空気やらなんかの外部環境の物質と接して存在することは基本ありません。
今も昔も細胞の生存には細胞周囲の海、細胞外液が必要です。
細胞外液は温度やpHなどが一定に保たれているのが望ましいのでそれを恒常性と言います。
体というのは生殖細胞系列以外は全て細胞外液の恒常性を保つために存在します。
でないと働きバチ(蟻)も女王バチ(蟻)も死にます。
細胞内外を境界するのは細胞どうした接して作るシートでこれが皮膚でも消化管でも胆管でも膵管でも肝臓に張り巡らされている外分泌系でも、呼吸器官の起動系でも子宮体から外の腎臓、泌尿器系でも細胞内外を境界しています。
女性の子宮の卵管や卵管サイの部分はちょっと男女差があって膣から子宮、腹腔がつながっています。
腹膜や胸膜などの漿膜があるかどうか、体腔があるかどうかは動物を分類する際の大きな分岐になります。
腹腔にせよ胸腔にせよやはり細胞のシートで対空内外を今日解されているのは変わりません。
上皮細胞や漿膜細胞もまた何かにおおわれています。
粘膜だったり角質だったりします。
こういうもの体由来で外部環境からの何かではありません。
そういったものも体液で細胞外液の一種です。
腎尿細管の腎実質側では浸透圧が高い場合もあります。
こういった場合は温度やpHや浸透圧が恒常でない場合もあるでしょうがこういった細胞はそれに特化した働きを持っており、死んでしまわないようになっています。
ただ負担が大きいためか入れ替わり(ターンオーバー)は速いようです。
・消化管は特別
多細胞生物が最初に必要としたのは消化管です。
消化管がないと生物は多細胞か、巨大化できません。
さらにもっと巨大化しようとすると消化管から派生した呼吸器系やら泌尿器系やら外分泌系やらいろんなものができてくるようになります。
これらは人間では内肺葉由来の細胞のシートです。
皮膚(と脳)は外胚葉由来の細胞のシートや塊だったりします。
それ以外は中胚葉由来で細胞間質の細胞や心臓、血管やその内皮その他の循環器系、筋肉や筋膜、骨、腱、人体、脂肪、漿膜、骨髄や血球成分など様々なものになります。
消化管を作っているのも粘膜を作る上皮細胞以外は中胚葉由来、皮膚を作るのも基底膜と確執に挟まれる上皮細胞層以外は皮下組織も粘膜下組織も平滑筋も横紋筋も心筋もみな中胚葉由来です。
・人間の内部はいたるところが間で張り巡らされている
人間の内部はいたるところ管で張り巡らされています。
それを裏打ちする上皮細胞は内肺葉由来です(肝臓は忘れました)。
内肺葉由来の細胞のシートで裏打ちされていない管系は血管やリンパ管などの中胚葉由来のものです。
外胚葉は皮膚で普通の感覚では皮膚の内外を体の内外と思っている人が多いかもしれません。
皮膚の上皮細胞にせよ角膜に守られていますし角膜や角膜化は細胞外液に下されています。
消化管なら消化管の上皮細胞は粘膜におおわれてこれが細胞を包む消化管内腔側の液体です。
・原始的な多細胞生物は・・・
多細胞生物になると細胞の塊みたいになる場合があります。
その場合“大きな体”を作るには、表面積問題を解く必要があり、その王道解が“消化管(内面化した表面積)”だったという進化の流れがあります。
他方で海綿動物(スポンジ)みたいに“典型的な消化管”がない多細胞動物として進化する流れもありましたが人間は前者です。
人間みたいにサイズがあればいろいろな種類の配管を体に張り巡らさせたりして体の状態、特に細胞外液の恒常性を守るようになっています。
もっと原始的な多細胞生物が大きくなろうとしたときにまずできたのが消化管です。
これはトポロジカルには2通りで入り口も出口も共用なので位相的には球と変わらないのと入り口と出口が別々でドーナッツ状、変形しなければちくわ状になっているものがあります。
前者から後者が分岐したと考えられています。
人間はなかなか複雑な動物に進化というか変化しているので入り口と出口、口と肛門を持っています。
人間はいろんな配管がありますが原始的な多細胞動物にまず必要だったのは消化管です。
これができたころはまだ海の中です。
つまり何億年、年十億年も昔です。
体のサイズが小さければ消化管だけあれば十分だったと思われます。
また消化管は多細胞生物において歴史の古い器官あるいは組織と言ってしまってもいいのかもしれません。
歴史がありますからそれだけ変化というか進化します。
他の配管は呼吸器系にせよ循環器系にせよ、腎泌尿器関係にせよ、膵胆管の外分泌性にせよもっと後です。
神経は中空の管ではありませんが神経の発達ももっと後です。
人間の体は脳からの神経により中央集権的に命令やら情報収集やらしてそうですがそういう仕組みは消化管のだいぶ後です。
心臓も脳死しても勝手に動いていますがこれも消化管の後です。
小さいサイズならガスにせよ栄養にせよ老廃物にせよ拡散で十分です。
消化管はもっと古いのでやっぱり脳死しても動いています。
脳死していなくても勝手に動いています。
消化管は自立性の強い臓器です。
東洋医学の五臓六腑的に言えば臓ではなく腑です。
神経の指令がなくても勝手に動いて仕事をします。
まあ心臓もそうですが神経と完全に切り離しても勝手に運動したり蠕動したりしています。
体の中にワームというか関係のミミズみたいな生き物を一匹飼っているイメージです。
脳と完全に切り離しても勝手に動くのは消化管の中の残された神経が働いている側面もあるのかもしれませんが、基本的には神経抜きでも勝手に動いて仕事をします。
カハール細胞とか特殊な消化器の統制を取る神経ではないネットワークが張り巡らされています。
そういう意味もあってかなくてかしりませんが消化管のことをリトルブレインという場合もありますし、消化管側から脳に指令というか働きかけを行うこともあるので脳腸相関という場合もあります。
人間が死ぬ場合を考えてみます。
基本的には天寿を全うするようなケースを考えてもらうといいと思います。
大体臓器ごとに個人差もあるかもしれませんが頑丈さや寿命や機能低下の速さが違います。
大体最後は感染症で死にます。
肺炎や尿路感染症が多いと思います。
死亡診断書では死亡原因が4つくらい書くところが確かあって直接子音と言われるものです。
何が原因であっても最後は体が弱って感染症にやられてしまうイメージです。
一番最初の死因は元死因は元死因といったと思いますが何が原因でも肺炎や尿路感染症、特に肺炎が多いです。
癌とかの派手な悪性腫瘍は亜急性の病気で転移や浸潤などでターミナルには形態的にも帰納的にもいろいろな弱り方をしていく場合がありますがその場合も最後は弱った体に感染症も併発することが多いでしょう。
脳血管系や心血管系の疾患は元死因の2位、3位を長らく占めていましたが最近は3位を肺炎に抜かれたと聞きましたが本当かどうかは分かりません。
脳血管疾患や心血管疾患のエピソードというか血管が詰まったり出血したりがあったりすると急性だとそのままなくなってしまう場合もありますが、死ななくてハッピーな場合もありますが後遺症を残す場合があります。
だいたい動脈硬化なり血管年齢の老化なりが起こっている人は前身の血管が動脈硬化を起こしていたり老化していたりします。
心臓は冠動脈だけ見てたらいいですが脳は小さな血管から大きな血管までたくさんの血管がエピソードを何度も起こしていくので徐々、あるいは段階的、階段状に脳機能が低下していきます。
まあその他のこともあって人間は年取ると弱っていきますが健康寿命と障害寿命というものがあります。
障害寿命はそのまんまの寿命で死ぬ時です。
健康寿命は健康が失われるときで細かい定義は知りませんがだいたい足腰が立たなくなった時、寝たきりになった時くらいでしょうか。
もしかしたら車いす生活ができたらまだ健康と見なされるかもしれません。
人間は年取ると整形外科的な問題が人生の最後を左右するので狭い意味での整形外科的ということではなく広い意味での整形外科的な予防は若いうちから心がけているといいでしょう。
運動すればいいというものでもなく運動しすぎも膝、腰、股関節など痛めることが多いです。
認知症になると進むと人間の基本的な能力が失われます。
飲み込むとか歩くとか動くとか意識の覚醒度、清明度を維持するとかそういうことができなくなります。
失語、失認、失行とかそういう行為脳機能障害だけでなく、もっと基本的な能力が低下したりなくなります。
別に動いたり考えられなくなったりしても循環器や呼吸器や腎・泌尿器や消化吸収排泄ができれば人間は生きていけます。
ただそれ以前に食べたり飲みこんだりができなくなるのでそもそも腸までものを運べません。
食べたり飲んだりできないと死にますから昔なら胃婁と言って腹壁にと胃に穴をあけてそこに管を通してそこから食べ物を流し込んでいました。
最近は日本でもそこまでやらない感じになってきていると思います。
ただ大金持ちだったりすると生きていることが家族や親戚に収入を与えてくれる場合がありますので胃婁が行われてできるだけ長生きしてもらうケースもあるかもしれません。
保険診療か自費診療科は知りませんが。
血管から栄養や水分を流し込む手もありますがそれだと持続的な生存には不十分なので一時しのぎに使われる場合があると思います。
これも太い静脈を使う中心静脈栄養と末梢静脈栄養がありますがどちらにしても不十分です。
最近は末梢静脈で補液だけ行って体力が尽きたらそれが天命という考え方が医療関係者にせよ患者さんのご家族にせよ、ということは日本の社会通念上は一般的になりつつあると思われます。
大金持ちではなくても敬老の精神が強いためか病院経営のためとか家族も恩給がもらえる分生かした方が得とかとかで昔は日本は胃婁普通だった時代もありましたが、今は多分変わっていると思います。
ここでのポイントは体が弱って若かりしき日々のような人間の生活や営みが行えなくても消化管に栄養さえ与えておけば人間は勝手に生きていけるということです。
循環器とか呼吸器とか代謝系とかそういうのは人間は結構持ちます。
予備脳が高いと言えるかもしれません。
腎臓は繊細な臓器ですから健康寿命より前に能力低下で透析になる例が高齢化のため増えているように感じられます。
腎臓も大切にしといた方がいいでしょう。
・至高にして究極?
消化管は基本的な臓器です。
特に小腸は替えが効きません。
移植も難しいです。
失われると栄養九州ができなくなって死にます。
でも健康な臓器(器官?)でもあって小腸は悪性腫瘍が極めて少ないです。
カプセル内視鏡などで最近は研究が進んでいるかもしれませんが小腸より上、小腸より下は癌などの悪性腫瘍が多いですが小腸癌というのはすくないです。
研究が進んで十二指腸のなんとかとかいろいろ見つかっているみたいですが癌でなく肉腫だったり頻度が少なかったりします。
大腸も基本定期的に大腸内視鏡などしておけば大腸がん予防ができます。
胃もピロリ菌除菌の世の中なのでスキルスとか特殊な悪性腫瘍(癌でなく肉腫)など除けば定期健診で死ににくい時代になってきました。
食道がんも最近酒飲まなくなったり公衆衛生健康知識啓発などが進めば減るでしょう。舌癌や咽喉頭癌も減らせます。
癌よりは別の病気が問題になりもしますが減ってもいますし死病でなかったり医療技術で管理ができたりするような時代になってきました。
そもそも悪性腫瘍自体の治療や管理が優れてきました。
昔は日本人の病名トップは「腹痛」でした。
「それは症状であって病名ではないのではないか」という人もいるかもしれませんがそうでした。
急におなかが痛くなるのは急性腹症とまとめられて夜などには救急外来や救急車などで搬送される場合もありますが半数が原因不明、別の言い方をすれば救急外来の検査では異常が見つからず緊急性も重篤性もないからきになるなら翌日以降に自分で病院にかかって精査してもらいましょうとなるのが半分です。
翌日以降に病院に行って検査しても何もないことの方が多いのでほったらかしになることも多いです。
器質性の疾患、検査異常のない症状を訴える人が多いのでおなかは機能性消化管疾患という機能性疾患の研究の走りになりました。
逆に言えば器質的な病気は目途や方向性がついたので器質的な病気やら異常を研究しようとシフトされている流れです。
おなかは昔から不調を訴える人が多い診療科でどこの病院に行っても原因が見つからずドクターショッピングという言葉の定番の診療科でした。
そして現在は腸内細菌研究で花形の分野になっています。
灯台下暗しというか腸内などの常在菌は体や健康にとって何かの役割をなしているはずですが研究されてきませんでした。
研究しにくいというのもありました。
腸内細菌の殆どが偏性嫌気性菌と言って空気に触れると死んでしまうので研究しにくいせいか、あるいは腸内細菌の殆どが偏性嫌気性菌と分かったのが比較的新しく数十年前でそれが分かったところで研究しにくさがあります。
これは土壌細菌も同じです。
道の最近も多くある、というか殆どです。
知られていない最近の方が圧倒的に多いです。
また最近の種類が多いので解析困難です。
それこそビッグデータサイエンスが必要です。
他方で研究するコスパやタイパなども低くなっています。
巨大な費用と労力をかけて長期研究しようというモチベーションが医学でも社会全般でも弱まっているように見えます。
ただこの分野には研究や研究者が集中というか増えているように見えるのでいろいろな成果が出てきそうで楽しみではあります。
・体内外を仕切るのは巨大な免疫組織
体内外の境界を決するのは形態だけではありません。
「免疫」というものが大切です。
体の内部に異物が入る場合には怪我であれ吸収であれセキュリティークリアランスが必要です。
皮膚も消化管も巨大な免疫器官です。
皮下組織、粘膜下組織、そして上皮細胞内の免疫細胞などは体の免疫細胞のほとんどを占めています。
特に消化管は重要です。
皮膚は単に跳ね返せばいいですし、傷であれ何であれ入ってきたら跳ね返せばいいです。
しかし消化管は、特に小腸は積極的に外界から異物を吸収する特殊な臓器です。
誤解のないように言っておくと消化管の内腔は体の外部です。
上皮細胞をつうかしたときにはじめて体の内部に入ります。
栄養なり水分なりを取り入れないといけないとなると検閲や資格審査やいろんなことが必要になります。
トランジットであれ永住であれそうです。
移民と入管の関係のようなものです。
小腸上皮細胞とその上皮下組織では多国籍な人々、いろいろな物体が免疫によって入れていいか悪いか判断している場所です。
粘膜レベルや上皮細胞やそのつなぎ目で入れるか入れないか決められればいいですがイラン物も入ってくるため入国審査は一段構えではなく何段構えかになります。
哲学的に考えると人間はどこまで人間かとか、体と外の境界はどこかとか考えられるかもしれません。
まあ忙しい現在ではそんなこと考えても仕方がないかもしれませんが。
昔の免疫学者はいろいろ考えていたようですが今は免疫学が十分進んでいるので観念的なことも形而上的なことも考えなくてもよさそうですが知っておくと何かの教養というか別のひらめきのきっかけになるかもしれません。