- 2026年2月10日
消費税という名の「嘘」
——それは消費への課税ではない。「汗」と「夢」への懲罰税(粗利税)だ——
消費税という名の「嘘」
——それは消費への課税ではない。「汗」と「夢」への懲罰税(粗利税)だ——
はじめに: 日本経済の「胴体」はどこへ消えたか
日本経済を人間に例えるなら、今の日本は**「頭(大企業)」と「足(非正規・貧困層)」だけで、肝心の「胴体」がない奇形**になりつつある。 かつてこの国には、分厚い「胴体」があった。 学歴がなくても、必死に働いて技術を覚えれば、のれん分けで独立できた。小さな店を持ち、家族を養い、地域に貢献する「誇り高き庶民」たちがいた。
彼らを殺したのは誰か? バブル崩壊でも、IT革命でもない。 真犯人は、**「消費税」という名の、中小零細企業狙い撃ちの「粗利税」**である。
1. 「消費税」は存在しない。あるのは「付加価値税」だ
まず、教科書の嘘を暴かなければならない。 消費税は「預かり金」ではない。法律上も判例でも、**「事業者が稼いだ付加価値(粗利)に対して課せられる直接税」**である。
- 計算式: 売上 - 仕入 = 粗利(付加価値)
- 実態: この「粗利」に10%が課税される。
粗利とは何か? それは**「社員の給料」と「会社の利益」の源泉だ。 つまり消費税とは、「お前たちが汗水垂らして稼いだ付加価値(給料の原資)の10%を、利益が出る前に没収する」**という、労働への懲罰税なのだ。
価格転嫁力のある大企業(トヨタなど)は、これを価格に乗せて消費者に払わせることができる。 しかし、立場の弱い下請けや商店街の八百屋は、値上げすれば客が逃げ、親会社に切られる。だから、「自分の身銭(給料や利益)」を削って納税するしかない。 これが30年間、日本人の賃金が上がらなかった本当の理由だ。
2. アメリカの要望に応えた「商店街破壊」
時計の針を1990年頃に戻そう。 当時、アメリカは「日本製品が強すぎて、アメ車やアメリカ製品が売れない」と苛立っていた(日米構造協議)。 彼らが目をつけたのが、日本独自の**「複雑で小規模な流通網(商店街・個人商店)」**だった。 「日本の市場は閉鎖的だ。もっと大規模店を作らせろ」
そこで導入されたのが**「大店法(大規模小売店舗法)の緩和」であり、トドメを刺したのが「消費税」**だ。
- 大店法: 商店街を破壊し、郊外に巨大なイオンモールを作らせた。
- 消費税: 事務負担と納税負担に耐えられない個人商店を廃業に追い込んだ。
結果、日本中から「顔の見える商売」が消え、どこへ行っても同じチェーン店が並ぶ、「経済合理性だけの無機質な風景」が完成した。 これは自然現象ではない。「アメリカの新自由主義的要請」に応えて、日本政府が自国の庶民の生業(なりわい)を差し出した結果なのだ。
3. 「赤字でも払え」:ベンチャー殺しの残酷な税
「イノベーションで経済成長を」と政府は言う。これも嘘だ。 消費税は、**「赤字でも払わなければならない」**という、世界でも稀に見る残酷な税制だ。
創業したてのベンチャー企業や、必死に再建中の中小企業。 彼らが赤字であっても、「給料を払っている(付加価値を生んでいる)」限り、消費税は容赦なくむしり取られる。 法人税なら「赤字ならゼロ」だ。しかし消費税は、**「息をしているだけで課される罰金」**のように、企業の体力を奪う。
これでは、新しい挑戦など生まれるはずがない。 消費税とは、「既得権益(大企業・輸出戻し税をもらう輸出企業)」を優遇し、「挑戦者(中小・ベンチャー)」を殺す装置なのだ。
4. 「のれん分け」という文化の死
かつての日本には、経済合理性では測れない**「生存の道の多様性」があった。 勉強ができなくても、愛想が良くなくても、真面目に鍋を振り、ネジを巻けば、「一国一城の主」になれた。 それが「のれん分け」**であり、日本の分厚い中間層のプライドだった。
しかし今、インボイス制度と消費税が、その最後の梯子を外そうとしている。 「小さな商売は効率が悪いから潰れろ。大企業の従業員(歯車)になれ」 それが政府のメッセージだ。
経済合理性だけで測った結果、日本は**「金はあるが、文化も情緒も、そして逃げ場もない国」**になった。 効率化されたチェーン店で、マニュアル通りの接客を受け、安くて味気ない食事をする。 そこには、店主の頑固なこだわりも、常連客との無駄話もない。
結論: 胴体を取り戻すために
消費税を「社会保障のため」と信じてはいけない。 それは、「汗を流して働く庶民」から吸い上げ、「輸出大企業」と「国庫」へ富を移転させるポンプである。
我々が失ったのは、単なる金ではない。 「頭が悪くても、真面目に働けば報われる」という社会契約であり、「小さくても誇り高く生きる」という多様性だ。
経済合理性という名の「カルト」から脱却し、消費税(粗利税)の呪縛を解かない限り、日本の「胴体」は再生しない。 残るのは、頭でっかちのエリートと、やせ細った手足だけの、哀れな経済の抜け殻だけだろう。